田村隆成「運命を拓く」

政治・経済などを占いの観点から研究しています。

通変星

 

通変星(つうへんせい)とは、変化して通ずる星という意味であり、五行の相生・相剋の相互関係をわかりやすくために区別された十種類の星のことです。人の性格、能力、適正、運命を判断するうえで、四柱推命の根幹をなす重要な星です。

通変星の出し方は、日干を基に、これと天干、または地支と照らし合わすことによって出します。

 

通変星の種類とその性格

比肩

日干からみて、同じ五行で、陽から陽、陰から陰の干は「比肩」となります。甲ー甲、乙ー乙などの関係です。名称の通り「肩を比べる」で、同じ同質ということから自分自身、あるいは、兄弟姉妹、同僚、友人、ライバルをあわらす星です。また、養子、独立、競争、衝突などの意味を持ちます。

この星が元命にあると、自我が強いため、一本調子であまり人の意見に左右されません。こだわる性分や、負けず嫌いの性質が、良いようにも、悪いようにも出ます。

「比肩」は妻の星を剋し、財産の星を剋しますから、奥さんと衝突したり、兄弟姉妹で財産を争うことも。命式中に偏官があれば、その凶意は薄くなります。

劫財

日干からみて、同じ五行で、陰陽の配合が違うものが「劫財」となります。甲―乙、丙―丁などの関係です。「劫財」とは読んで字のごとく「財を破る」という意味です。

兄弟姉妹、義理の兄弟姉妹、同僚、友人を表す星です。自己本位で気性が激しく、豪放な面もあり、闘争心旺盛です。「外面」が良く「内面」が悪い面もあります。理不尽な命令や指示をされるのを嫌います。強い上昇志向を表します。

劫財は正財を剋しますので、夫婦仲はよいとはいえません。財を剋す星でもありますので、入っても出て行くという具合で蓄財は不得意でしょう。命式中に正官があれば、凶意は薄れます。

命式に劫財があるからといって、一概に恐れる必要はありません。他の星との組み合わせにより、大成功を収める人もいます。財界人には劫財をもつ人も多く、必ずしも悪い星ではないのです。

食神

食神とは読んで字のごとく飲食の神です。財産を生み出す星で、女性には子供、孫を表わします。先祖の財産、衣食住、健康をも暗示します。

この星が元命にあれば、その性格はあっさりとして淡白、おっとり、のびのび育った感じがします。体型はややふっくらな人が多く、心豊かで美的感覚に優れています。

食神の大敵は偏印であり、同柱の場合、偏食の傾向があり、暴飲暴食で大病を患う人が多いので要注意です。 

傷官

傷官は、女性にとっては子供の星であり、夫を剋す星です。男性の場合、官星(偏官・正官)は社会的地位・職業、自分の子供ですからそれを破る星ともなれば支障がきたす恐れがあります。

傷官の性格は、神経質、口が達者でありますが、協調性に欠けるため会社勤務や共同事業には向きません。自由業や学芸技術方面の方が良いでしょう。

偏財

偏財は、父親、妾妻の星をあらわし、また金銭、商売全般を意味します。男性の場合、正財はを妻と見るのに対し、偏財を愛人という見方をします。

偏財があると、男性は女性運、金運に恵まれ社交性に富み、人のお世話をするのが大好きです。また、派手好み、命式に偏財が多いと愛情問題で悩むこともあります。

偏財は比肩と一緒にあることを嫌います。 

正財

正財は、信用、正直で汗を流してお金を稼ぐ星です。ですから財産の星という意味があります。この星を元命で持つ人は、真面目で几帳面、金銭は蓄財感覚があります。

男性からは正妻とみます。女性の場合、正財があり、ほかに正官、印綬があれば良妻賢母またはキャリアウーマンとして充分にやっていける人です。 

偏官

偏官は、権力の星で、地位、名誉を欲します。男性の場合は子供の星、女性の場合、男を表します。この星が多い女性は結婚が遅かったり、再婚になりやすい傾向があります。

この偏官を元命に持つ人は正義感が強く、義理人情に厚く、親分肌。じっとできず活動的でパワフルです。 激動期に活躍する人が多いです。

正官

正官は、気品、出世、相続の星です。男性の場合は子供、女性の場合は夫をあらわします。

性格は品行方正、几帳面で礼儀正しい人ですが、堅実なお仕事が向いています。組織で活躍することが多いです。

年柱に正官と正財があれば、裕福な家庭に育った人で、長子の生まれで家を継ぐことが多いです。正官と偏官が同柱にある場合は、苦労が多い傾向があります。

偏印

偏印は、印綬と共に頭脳の星です。印綬の場合は学業の星であることに対し、偏印は独創性、アイデアの星です。

性格は、好奇心が強く、多芸多趣味の人が多いです。

食神を剋す星であることから、倒食とも呼ばれます。 

印綬

印綬は、母親、学問、名誉の星です。

性格は冷静沈着で、思慮深く、温和ですが、やや自己中心的で身勝手な面もあります。

命式に正財があると、嫁姑のトラブルが生じたり、印綬の良さが抑えられてしまいます。正官とともにあると学術方面で活躍する人が多いです。

女性で印綬が多い場合、子供との縁が薄い傾向があります。