相生と相剋
五行の五つの気は、お互いの相生・相剋関係があります。
「相生」とは五行の二つが助け合う関係で、反対に互いに力を弱め合う関係であるのが「相剋」です。「相生」だから相手の要素を強めるので良い、「相剋」だから相手の要素を弱くするから悪いということではありません。過度に弱めたり、強めたりするとバランスを崩し悪影響を及ぼします。相生と相剋の関係が上手く保たれてバランスをとるのが良いとされています。
五行相生の関係
万物は木、火、土、金、水の五元素によって成り立っています。自然エネルギーや動的な力のような概念です。
「木」は燃えて「火」を生じ、「火」が燃え尽き固まると「土」を生じる。「土」はやがて「金」を生じ、「金」は溶けて「水(液体)」になり、「水」は「木」を育てる。
「木」→「火」→「土」→「金」→「水」→「木」の順に相手を強める影響をもたらすということが五行相生です。生じ生じられる関係であり、エネルギーを与え与えられる関係であります。
木生火(もくしょうか)
火生土(かしょうど)
土生金(どしょうきん)
金生水(きんしょうすい)
水生木(すいしょうもく)
このとき、エネルギーを与えられたほうは肥え、エネルギーを与えた方は痩せていきます。火を燃やすとき、木は燃やされ痩せていきます。このようにエネルギーを放出して痩せることを「洩気(ろうき)」といいます。
五行相剋の関係
五行相生とは逆に、影響を与えエネルギーを弱めることを五行相剋といいます。
「木」は根を伸ばして「土」の養分を奪い、「土」は「水」の流れをせき止め、「水」は燃え盛る「火」を消し、「火」は「金」を溶解し、「金」は「木」を伐採する。
このように相手の動きを抑えたり、抑えられたり、お互いの力を消すような抑制関係をを五行相剋といます。
木剋土(もっこくど)
火剋金(かこくきん)
土剋水(どこくすい)
金剋木(きんこくもく)
水剋火(すいこくか)
木剋土とはいえ、土の養分が多過ぎれば木は枯れてしまいます。火剋金では、火が弱ければ金は溶かせません。剋されても反発し、伸びていくことを「反剋」といいます。
相生する干支
相生を支配する干支には、「干合(かんごう)」「三合(さんごう)」「支合(しごう)」「方合(ほうごう)」があります。
干合
十干のうちの陽干と陰干とが合して、五行の一つになることを干合といいます。
干合には以下の五種類があります。
甲(こう) ー 己(き) → 土(化して甲は戊になる)
乙(おつ) ー 庚(こう) → 金(化して乙は辛になる)
丙(へい) ー 辛(しん) → 水(化して丙は壬に、辛は癸となる)
丁(てい) ー 壬(じん) → 木(化して丁は乙に、壬は甲になる)
戊(ぼ) ー 癸(き) → 火(化して戊は丙に、癸は丁になる)
*干合が成立するのは、天干のうち年月、月日、日時の隣り合った3箇所です
支合
十二支には、結びつきの強い十二支同士があります。その組み合わせを支合といいます。干合が天干同士の組み合わせ、支合は地支同士の組み合わせです。年支と月支にが支合すると親、月支と日支なら配偶者との結びつきが強くなると考えられています。
*支合が成立するのは、地支のうち年月、月日、日時の隣り合った3箇所です。
三合
三合とは、十二支のうち3つが結びつき「局」となり、他の五行の一つになることをいいます。
亥ー卯ー未 → 木局
寅ー午ー戌 → 火局
巳ー酉ー丑 → 金局
申ー子ー辰 → 水局
丑ー辰ー未ー戌 → 土局(四墓)
これらの3つが命式で揃うことを三合会局または三合といいます。3つのうち、1つだけが欠けている場合は半局または半会といい、三合に準ずる働きがあるとみます。
もし、年柱と月柱が、さらに年柱と日柱が支合、三合している人がいればその人は外面がよく、人気運もあり、調子がいい八方美人な人。女性の場合、日柱と月柱が支合や三合していると、家庭を大切にし、夫や子供思いの優しい妻だと考えられています。
方合
十二支のうち、3つが結びつき一つの強力な五行になること方合といいます。
下の表は四季を五行に当てはめたものです。地支に方合があればその五行は力を増し、三合と同じ意味合いとなります。
相剋する支
相剋を支配する支には、「刑(けい)」「冲(ちゅう)」「害(がい)」があります。
刑
刑は三刑ともいい、十二支のうちの3つが互いに剋し合う形をいいます。矢印の方向に剋しますが、子と卯は互いに剋し合うので、刑の中ではもっとも凶意は大きめです。
寅 → 巳 → 申
丑 → 戌 → 未
子 ↔︎ 卯
十二支のうち、1つが自分で自分を剋す形を自刑といいます。自刑は2つの同一地支が重なるので、その五行を強め合うようです。
辰 ↔︎ 辰 (木)
午 ↔︎ 午 (火)
酉 ↔︎ 酉 (金)
亥 ↔︎ 亥 (水)
*○印は自刑
冲
冲は七冲(しちちゅう)ともいい、十二支のうち、7つ目の陽支と陽支、陰支と陰支同士が互いに剋し合うことをいいます。五行の関係でどちらかが消される形となります。
子(陽水) ー 午(陽火)
寅(陽木) ー 申(陽金)
辰(陽土) ー 戌(陽土)
丑(陰土) ー 未(陰土)
卯(陰木) ー 酉(陰金)
巳(陰火) ー 亥(陰水)
それぞれの五行関係は相剋の間柄です。土同士の「辰戌」「丑未」は相剋の間柄ではないので他に比べ凶意は弱いです。
*冲が成立するのは、地支のうち年月、月日、日時の隣り合った3箇所です。
害
六害または相害ともいわれ、十二支のうちの2つが互いに分離したり、剋し合う形をいいます。身内や身近な人との不和や分離を示します。
例えば、「未」と「午」は支合の関係ですが、「子」が「午」を冲するので、「子」と「未」は害となるのです。日支を中心に、他柱の地支との害をみます。刑や冲ほどの凶意はありません。